2025年3月第1週市況まとめ|関税・地政学リスクで乱高下、ディフェンシブ株に資金

DMM FX

全体動向

3月第1週の東京株式市場は、週初に自律反発で大きく戻したものの、関税政策や地政学リスク、為替の円高進行を背景に再び下落基調となりました。米国の政策動向や経済指標が投資家心理を大きく揺さぶり、日経平均株価は心理的節目である3万7000円を巡る攻防が続きました。とりわけ、半導体関連や輸出株が米国市場の影響を強く受け、投機的な先物売買によって値動きが一段と荒くなった週でした。

日別サマリー

3/3(月)

日経平均株価は629円高の3万7785円と大幅反発。前週の急落で割安感が意識され、自動車や金融など主力株が買い戻されました。米ナスダックやエヌビディア株の反発も追い風。

3/4(火)

454円安の3万7331円に反落。トランプ政権の関税強化や円高進行、ウクライナ情勢悪化で売り優勢に。短期筋による先物売りが膨らみ、一時1000円安近くまで下落しました。

3/5(水)

前日の流れを引き継ぎ反落。米中間の追加関税合戦への懸念が強まり、非鉄金属・石油・鉱業株など景気敏感株が売られました。一方、防衛関連や薬品株には資金が逃避的に流入しました。

3/6(木)

286円高の3万7704円と反発。米国が自動車関税に猶予を与えたことから、自動車株を中心に買い戻しが入りました。防衛関連や銀行株も堅調。ただし利益確定売りで上値は重く、伸び悩みました。

3/7(金)

817円安の3万6887円と急落。米ハイテク株安や円高で半導体・輸出株が売られ、半年ぶりに3万7000円を割り込みました。米雇用統計発表を控えて投資家の不安心理が強まり、下げ幅は900円近くに迫る場面も。


初心者向け解説

1.「ディフェンシブ銘柄」とは?

ディフェンシブ銘柄とは、景気の変動に影響を受けにくく、比較的安定した業績を維持しやすい企業の株のことを指します。
株式市場全体が景気悪化や不透明感で売られているときでも、生活必需品や医療、インフラに関わる業種は需要が大きく落ち込みにくいため、株価も相対的に下げ幅が小さい傾向があります。

代表的なディフェンシブ業種には、医薬品(病気の治療に不可欠)、食品や小売(生活必需品の販売)、電力やガス(水道やエネルギーといった社会インフラ)、通信(インターネットや携帯サービス)などがあります。また、近年では国家予算に組み込まれやすい防衛関連銘柄も、景気に左右されにくいセクターとして注目されやすい存在です。

投資家がディフェンシブ銘柄を重視する場面は、「景気後退懸念が強まっているとき」や「株式市場が大幅に下落しているとき」です。
こうした時期には、成長株や景気敏感株(自動車、半導体、素材など)が大きく売られる一方、ディフェンシブ銘柄には資金が逃避的に流入しやすく、ポートフォリオ全体の値動きを安定させる役割を果たします。

ただし、ディフェンシブ銘柄は「安定性」が魅力である反面、急成長や大幅な株価上昇を狙う投資には向きにくいという側面もあります。
そのため投資家は、相場環境に応じてディフェンシブ銘柄と景気敏感株をバランスよく組み合わせることが重要になります。

「景気敏感株」とは?

景気敏感株とは、景気の動向に大きく影響を受けやすい業種の株を指します。
景気が良くなると需要が一気に伸びて業績が急回復しやすい一方、景気が悪化すると真っ先に売られやすいという特徴を持っています。つまり、株価の値動きが景気循環と連動しやすいのが「景気敏感株」です。

代表的なセクターには、以下のような業種があります。

  • 自動車株(トヨタ・ホンダなど)
     → 景気が良いと消費者が高額な車を購入しやすくなるが、不況期には販売台数が落ち込みやすい。

  • 半導体・電子部品株(東京エレクトロン、アドテストなど)
     → IT投資や新製品需要が高まると業績が急拡大するが、景気後退期には設備投資が減り、業績が落ち込みやすい。

  • 素材株(鉄鋼、化学、非鉄金属など)
     → 景気が拡大すると建設や製造の需要が増え、素材需要が急増。ただし、需要が落ち込むと価格が急落しやすい。

  • 機械株や海運株
     → 工場の稼働率や国際的な物流需要に左右されやすく、景気の波を大きく受けやすい。

 投資家にとってのポイント

  • 景気敏感株は、景気拡大局面では大きなリターンが狙える「攻めの株」です。
    好景気で需要が膨らむ時期には、業績も株価も急伸しやすいため、成長株投資と相性が良いといえます。

  • 逆に、景気後退局面では業績が悪化しやすく、株価の下落幅が大きくなるリスクがあります。そのため、不況局面での投資には注意が必要です。

  • 投資戦略としては、「景気敏感株」と「ディフェンシブ株」を組み合わせてバランスを取る」のが基本。
    相場が上昇基調のときは景気敏感株を厚めに、不安定なときはディフェンシブ株を厚めにするなど、景気サイクルに応じて配分を変えるのが有効です。

【翌週】2025年3月第2週市況まとめ|日経平均は乱高下、心理的節目を巡る攻防続く
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