13.商社・卸売りセクターまとめ
商社・卸売りセクターは、世界の資源・製品・サービスを結ぶ「経済の血流」ともいえる分野です。
総合商社がエネルギー・金属・化学品などのグローバル取引を担う一方、専門商社は機械、電子部品、食品、医薬など特定分野での高い専門性を武器に展開。
近年は、単なる仲介ビジネスから脱却し、投資・開発・再エネ・スタートアップ支援などの事業創出型商社へと進化しています。
世界経済の変動、資源価格、為替の影響を受けながらも、安定配当と高ROEを両立するビジネスモデルが投資家から注目されています。
商社・卸売りセクター
最終更新:2025-11-14
いまの概況
商社・卸売りセクターは、円安と資源価格高止まりを背景に業績は堅調。
総合商社は、原油・LNG・金属など資源関連の利益が安定し、非資源分野(再エネ、食料、機械)での多角化も進展しています。
専門商社は、製造業の回復を受けて機械・電子部品・化学素材の取扱量が増加。
一方で、仕入コスト上昇や物流コスト負担、海外経済の減速が一部業種で重荷となっています。
また、GX(グリーントランスフォーメーション)投資や再エネ開発への出資が活発化し、「脱炭素×サプライチェーン再構築」のテーマで商社が再評価されています。
中長期的には、商社機能の金融・情報・物流三位一体モデルがさらなる競争力を生むと見られます。
最新トピック
-
資源高・円安による商社収益押し上げ:資源価格高止まりで資源商社は過去最高益圏を維持。
-
再エネ投資・GX事業の拡大:商社が風力・太陽光・水素などのインフラ事業に積極参入。
-
非資源型収益の拡大:食品・機械・医薬・IT関連などの分野が新たな収益柱に。
-
スタートアップ・DX支援事業:投資会社化する商社も増加。AI・データ活用支援が進む。
-
地政学リスク対応:中東・中国依存からの調達多様化が急務。
注目テーマ
-
GX・脱炭素関連投資の拡大
-
資源価格・為替動向と業績連動性
-
非資源分野(食料・ライフサイエンス・AI・再エネ)の拡大
-
スタートアップ投資・事業開発商社の台頭
-
デジタル商社化(AI×物流×金融)への転換
KPI(重要指標)
-
営業利益/経常利益(資源・非資源別)
-
ROE/ROA
-
為替(ドル円)変動による利益感応度
-
資源価格(原油・LNG・銅など)指数
-
配当性向/自社株買い規模
-
投資ポートフォリオ(再エネ・スタートアップなど)構成比
個別レポート
- ナガイレーベン<7447>
└ 2025年度は為替・原材料高の影響で減益も、2026年度は営業利益12%増を予想。高利益・無借金・高還元の安定型ディフェンシブ銘柄。 - フルサト・マルカホールディングス<7128>
└ 2025年12月期は増収減益ながら堅調な推移を維持。2026年1月に「UNISOLホールディングス」へ社名変更 - 極東貿易<8093>
└ 2026年3月期第1四半期も売上・利益ともに大幅増を記録 -
ジーデップ・アドバンス<5885>
└ 上位レイヤー移行で粗利改善/関税・供給は短期リスク - ラクト・ジャパン<3139>
└ 乳製品輸入最大手、機能性食品で利益率改善 - TOKAIホールディングス<3167>
└ エネルギー×情報通信×CATVの生活インフラ。1Q過去最高、通期も増収増益・顧客件数拡大。 - アルファパーチェス<7115>
└ MRO+無限カタログ+成長戦略。25/12期業績を上方修正し、29期売上1,000億円を目指す。フィスコは株価6,250〜8,750円を試算 - 高島<8007>
└ 高島は建設・産業資材・電子デバイスの3事業で成長を加速、26/3期に過去最高益と総還元性向100%を目指す - サンワテクノス<8137>
└ 25年度減収減益も予想超、26年度は売上増回復見込み。中計で28年度営業益80億円以上とPBR1倍超を目指す - 橋本総業ホールディングス<7570>
└ 老舗管工機材卸の橋本総業HD、HAT Vision 2027で売上2,000億円・経常益70億円を目指し、成長戦略と株主還元を強化。 - ビューティカダンホールディングス<3041>
└ ビューティカダンHDは生花祭壇・卸売事業の拡大で増収も営業損失を計上。中期計画で収益基盤強化とM&Aによる成長を目指す。 - フォーバル<8275>
└ 中小企業支援とESG経営を柱に成長。2026年3月期は過去最高益を計画し、安定配当と電子マネー優待で株主還元を拡充。 - 昭栄薬品<3537>
└ オレオケミカル事業を中心に過去最高益を更新し、累進配当方針で株主還元を強化する安定成長企業。 - アイナボホールディングス<7539>
└ 2025年9月期中間期は営業増益・財務良好で、中計ではDX推進や利益構造改革を進行。 - 三栄コーポレーション<8119>
└ 家具・生活雑貨・家電・ファッション事業を展開するトレーディング企業。2025年度は通常利益2.1億円超で中計を1年前倒し達成。 - デリカフーズホールディングス<3392>
└ 3月期は売上・経常利益ともに前期を上回り、財務面でも有利子負債削減と自己資本比率の上昇で健全化が進行 - ムサシ<7521>
└ 2025年3月期は売上高37,391百万円(前年比12.8%増)と堅調に推移 - 泉州電業<9824>
└ 2025年10月期中間期は、売上高9,016百万円(前年比+6.6%)と増収を維持。 - No.1<3562>
└ 2025年2月期は、増収減益ながらも期初計画を上回り、積極的な先行投資やM&A、業務提携によって事業領域を拡大 - アセンテック<3565>
└ 2025年1月期に大幅な増収増益を達成。3期連続増配やESG推進で持続可能な成長を目指す - 横浜冷凍<2874>
└ 冷蔵倉庫と食品販売を主力に、2030年までに売上高1,700億円を目指す中長期戦略を推進 - アップルインターナショナル<2788>
└ 2024年に過去最高の増収増益を達成、2025年はAI・DX強化と海外展開で安定成長を目指す - コーア商事ホールディングス<9273>
└ 原薬・医薬品事業の拡大で増収増益を達成し、健全な財務基盤と株主還元強化を両立 - クリヤマホールディングス<3355>
└ 2024年12月期に増収増益を達成。2025年度は売上900億円を計画 - 萩原電気ホールディングス<7467>
└ 2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比増加した一方、営業利益は減少 - エレマテック<2715>
└ 中期経営戦略「プロプラス」のもとで成長基盤を強化しつつ、豊田通商によるTOBの動向が注目
※今後、新しい商社・卸売りセクター関連企業レポートが出次第、順次追加していきます。
無料で株価チャートや決算データ、アナリストコメントなどを確認でき、企業分析の精度を高められます。
松井証券「マーケットラボ」徹底ガイド|無料機能・使い方・米国株版・他社比較まで解説
ここから確認
松井証券の「マーケットラボ」は、銘柄分析・チャート・四季報・スクリーニングまでを無料で使える高機能ツールです。 本記事では、松井証券マーケットラボの使い方、機能一覧、米国株版との違い、そして他社ツールとの比較までを徹底解説。 初[…]
基礎知識(初心者向け)
-
総合商社と専門商社の違い
総合商社は多分野にまたがる取引・投資を行い、専門商社は特定分野で深い専門性を持つ。 -
資源商社とは?
原油・天然ガス・金属などを取り扱い、価格変動リスクを管理しつつ安定供給を担う。 -
非資源型商社とは?
食料・ライフサイエンス・機械・デジタル領域など、生活や技術分野で取引を拡大。 -
為替・資源価格の影響
円安は利益を押し上げる一方、仕入れコスト上昇を伴う。商社はヘッジ取引でリスクを軽減。 -
商社の新たな役割
単なる仲介業ではなく、再エネ事業・スタートアップ投資・AI物流など“事業創出型企業”へ進化中。
商社・卸売りセクターは「経済の循環をつなぐハブ」であり、
景気敏感度が高い一方で、成長分野を取り込む柔軟性も武器です。
他の業界動向もあわせてチェックできます。
松井証券の「マーケットラボ」は、銘柄分析・チャート・四季報・スクリーニングまでを無料で使える高機能ツールです。 本記事では、松井証券マーケットラボの使い方、機能一覧、米国株版との違い、そして他社ツールとの比較までを徹底解説。 初[…]
