11.電力・ガスセクターまとめ
電力・ガスセクターは、発電・送配電・小売・ガス供給など、社会インフラの根幹を担う公益事業セクターです。
かつての地域独占構造から自由化が進み、現在は価格競争・再エネシフト・規制対応が三大テーマとなっています。
投資家目線では、景気の影響を受けにくい「ディフェンシブ銘柄群」として安定した配当が魅力。
一方で、燃料価格(LNG・原油・石炭)や為替変動、再エネ政策の動向によって利益が大きく変動する点に注意が必要です。
中長期では、脱炭素・GX(グリーントランスフォーメーション)・電力需給の構造変化が投資テーマの中心となります。
11. 電気・ガスセクター
最終更新:2025-10-06
いまの概況
電気・ガスセクターは、発電・送配電・小売り電気事業や都市ガス供給を担うライフライン産業。
安定収益を特徴とする一方で、燃料価格や為替、規制環境に大きく影響を受けます。
再生可能エネルギーや脱炭素への対応も成長とコストの両面で重要課題となっています。
日本の電力・ガス会社は地域独占から自由化へと移行し、競争環境が強まっています。
再生可能エネルギー導入やLNG(液化天然ガス)調達コスト、為替動向が業績に直結。
さらに、カーボンニュートラルへの取り組みが投資家の注目テーマであり、再エネ電源比率やCO₂削減目標がKPIとして意識されています。
注目テーマ
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脱炭素社会とGX(グリーントランスフォーメーション)戦略
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再エネ発電のコスト競争力とFIT/FIP制度の見直し
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LNG・原油・石炭価格の変動リスク管理
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電力需給の逼迫と安定供給体制の構築
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スマートメーター・蓄電池・VPP(仮想発電所)の導入拡大
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ガス事業のカーボンニュートラルLNG対応
KPI(重要指標)
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発電容量(GW)/再エネ比率(%)
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LNG調達価格/為替レート(円/ドル)
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販売電力量/ガス販売量
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設備稼働率(特に原子力・火力)
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CO₂排出削減率/脱炭素関連投資額
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営業利益率/配当性向
リスク要因
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燃料価格の急騰や為替の急変動
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規制変更(電力料金改定や再エネ制度)
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自然災害による設備損壊・供給停止
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脱炭素投資負担による利益圧迫
株主還元・投資視点
電気・ガスセクターはディフェンシブ色が強く、高配当銘柄が多いのが特徴。
燃料費や規制リスクに左右されやすいが、中長期的には再エネ事業の成長や海外展開が株価の押し上げ要因となります。
安定収益+高配当を狙う投資家に人気のセクターです。
最新トピック
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燃料価格の変動:LNG・原油高騰によるコスト圧力が続く。為替動向も影響。
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料金改定と値上げ容認:政府承認を経て電力・ガス料金が段階的に上昇。
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再エネ・脱炭素投資:洋上風力・太陽光・水素・アンモニア混焼など新領域が拡大。
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原子力再稼働の進展:安定供給と脱炭素を両立する鍵として議論が再加速。
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電力自由化後の競争:新電力の経営破綻・再編が進み、既存大手が再びシェア拡大。
個別レポート
- レジル<176A>
└ 分散型エネルギー/グリーン/エネルギーDXの三位一体で高成長。TOB賛同(上場廃止予定)で戦略再構築の余地。 - 京葉瓦斯<9539>
└ 都市ガスを軸に再エネやDXを推進し、2027年に経常利益60億円・ROE4.5%を目指す中期経営計画を進行中。 - 東邦ガス<9533>
└ ガス・電力事業の安定成長を維持しつつ、中期計画では経常利益300億円を目標。脱炭素・水素事業への転換を加速。
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基礎知識(初心者向け)
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発電の種類:火力・水力・原子力・再生可能エネルギー。燃料調達コストが利益に直結。
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規制と自由化:2016年に電力、2017年にガスが小売自由化。価格競争と新規参入が進む。
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再エネの仕組み:FIT(固定価格買取制度)、FIP(市場連動型補助)で導入が拡大。
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脱炭素投資:CO₂削減とエネルギー安定供給の両立が企業戦略の焦点。
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ディフェンシブ特性:景気に左右されにくく、安定配当・長期投資向きのセクター。
