11.電力・ガスセクターまとめ
電気・ガスセクター
最終更新:2025-09-26
概況
電気・ガスセクターは、発電・送配電・小売り電気事業や都市ガス供給を担うライフライン産業。安定収益を特徴とする一方で、燃料価格や為替、規制環境に大きく影響を受けます。再生可能エネルギーや脱炭素への対応も成長とコストの両面で重要課題となっています。
日本の電力・ガス会社は地域独占から自由化へと移行し、競争環境が強まっています。再生可能エネルギー導入やLNG(液化天然ガス)調達コスト、為替動向が業績に直結。さらに、カーボンニュートラルへの取り組みが投資家の注目テーマであり、再エネ電源比率やCO₂削減目標がKPIとして意識されています。
注目テーマ
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燃料価格と為替動向:LNGや石炭調達コストの増減が利益に直結。円安局面ではコスト増圧力。
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電力自由化と競争:新電力参入で価格競争激化。顧客維持・切替率が重要。
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再生可能エネルギー:風力・太陽光・水素など新規投資が拡大。FIT/FIP制度や補助金政策も収益に影響。
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インフラ更新:老朽化設備の更新投資が財務負担になる一方、安定供給の信頼性向上に寄与。
KPI(重要指標)
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燃料費調整後の営業利益率
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再エネ電源比率/CO₂排出削減率
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販売電力量・顧客数(切替率含む)
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ガス販売量(都市ガス・LNG)
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自己資本比率・財務健全性
リスク要因
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燃料価格の急騰や為替の急変動
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規制変更(電力料金改定や再エネ制度)
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自然災害による設備損壊・供給停止
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脱炭素投資負担による利益圧迫
株主還元・投資視点
電気・ガスセクターはディフェンシブ色が強く、高配当銘柄が多いのが特徴。燃料費や規制リスクに左右されやすいが、中長期的には再エネ事業の成長や海外展開が株価の押し上げ要因となります。安定収益+高配当を狙う投資家に人気のセクターです。
最新トピック
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東京電力HD〈9501〉:再エネ・原発再稼働方針を加速。25/3期は黒字基調を維持。
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関西電力〈9503〉:再生可能エネルギー投資に注力し、脱炭素ロードマップを発表。
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大阪ガス〈9532〉:海外LNG投資拡大で収益源多角化。
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東京ガス〈9531〉:都市ガス小売でシェア拡大。海外再エネプロジェクトも進展。
個別レポート
- 【企業分析レポート】レジル<176A>|業績・成長戦略・投資ポイントまとめ
└ 要旨:分散型エネルギー/グリーン/エネルギーDXの三位一体で高成長。TOB賛同(上場廃止予定)で戦略再構築の余地。
基礎知識(初心者向け)
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燃料費調整制度:LNGや石炭など燃料費の変動を電気料金に反映する仕組み。
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電力自由化:小売全面自由化により新電力(PPS)が参入、料金プラン多様化。
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再エネ比率:企業価値やESG投資の観点からも注目される指標。
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JEPX(日本卸電力取引所):スポット価格の変動は電力会社の調達コストに影響。