全体動向
9月第3週の東京株式市場は、最高値圏で推移するなかでも値動きが荒く、投資家心理の変化が鮮明に表れた週でした。
17日は、前日の米株安をきっかけに日経平均が5営業日ぶりに反落。米国のFOMC(連邦公開市場委員会)を控え、投資家が積極的な取引を避ける「様子見ムード」が広がりました。最高値圏に特有の利益確定売りが出る一方で、半導体やAI関連株には資金が流入し、市場には強弱入り混じる動きが見られました。
市況まとめ
9/17(水)
17日の東京株式市場では、日経平均株価が5営業日ぶりに反落し、前日比で下落して取引を終えました。
前日の米株式市場が下落した流れを受けて、日本株でも運用リスクを避ける動きが広がりました。
特に、最高値圏で推移していたことから利益確定売りが出やすく、主力株を中心に売りが優勢となりました。
一方で、半導体やAI関連株には買いが入り、一時は前日の最高値を上回る場面も見られました。
外国為替市場では円高・ドル安が進行し、輸出関連株の重荷となりました。
午後には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控え、投資家が積極的な売買を避ける「様子見ムード」が広がりました。
東証株価指数(TOPIX)やJPXプライム150指数も5営業日ぶりに反落し、売買代金・売買高ともに減少しました。
個別銘柄ではフジクラ、リクルート、任天堂などが下落した一方、TDK、ファストリ、ソニーGなどには買いが入りました。
市場全体としては「リスク回避ムード」が広がりつつも、半導体セクターの一角には資金が流入するという強弱入り混じる展開でした。
初心者向け解説①:なぜ「最高値圏」では利益確定売りが出やすいのか?
株価が過去の高値付近まで上昇すると、多くの投資家は「ここでいったん利益を確定しておこう」と考えます。
これを「利益確定売り」と呼びます。
特に、
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長期で株を保有してきた投資家
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大きく値上がり益が出ている投資家
は「一度手じまいして現金化する」心理が働きやすくなります。
その結果、最高値圏では売りが増え、株価が一時的に下がる傾向があります。
初心者の方は「最高値=これからもっと上がる!」と思いがちですが、実際は逆に「売り圧力が強まる局面」であることも多いのです。
初心者向け解説②:FOMCとは?株価にどう影響するのか
FOMC(連邦公開市場委員会)は、アメリカの中央銀行であるFRBが開く会合で、金利や金融政策を決める場です。年に8回開催され、結果は世界中の投資家が注目します。
株価への影響は主に「金利政策」です。
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利上げ → お金を借りにくくなり、企業の成長にブレーキ。株価にはマイナス。
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利下げ → お金を借りやすくなり、企業活動が活発化。株価にはプラス。
今回のようにFOMC直前は、投資家が売買を控えて様子見するため、取引が薄くなったり方向感が出にくくなるのが特徴です。
初心者は「FOMC=金利の方向を決める会合」とシンプルに覚えておくと理解しやすいです。
初心者向け解説③:円高になると輸出株が売られる理由
外国為替市場で円高が進むと、輸出関連株(自動車や電機など)の株価は下がりやすくなります
。理由はシンプルで、円高=海外で稼いだ利益を円に換算すると目減りするからです。
例:
1ドル=150円 → 車1台を2万ドルで売れば「300万円」の売上。
1ドル=140円 → 同じ2万ドルでも「280万円」にしかならない。
このように、円高が進むと「日本企業の利益が減るのでは?」と警戒され、輸出株が売られる傾向があります。
初心者は「円高=輸出株にマイナス、円安=輸出株にプラス」と押さえておくと、為替ニュースと株価の関係が理解しやすくなります。
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総括
9月17日の東京市場は、米株安を受けたリスク回避の売りと、最高値圏特有の利益確定売りで反落しました。
ただし、半導体関連株には資金が入り、市場の強さも同時に示されました。
今後はFOMCの結果や米国金利の方向性、為替動向が焦点となります。
初心者投資家にとっては、「最高値圏の売り圧力」「FOMC=金利シナリオ」「円高=輸出株安」という3つの基本を学ぶ良い機会といえるでしょう。
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