全体動向
週前半は米中関税協議の進展期待で買いが先行し、日経平均は年初来高値圏へ接近。
中盤以降は円高進行や利益確定で上値が重くなり、後半は反落・続落で上げ一服の流れ。
セクターでは半導体・機械が需給の振れに敏感、ディフェンシブ(医薬品など)は材料で明暗。
日別サマリー
5/12(月)|続伸・年初来高値圏へ
終値:3万7,644円26銭(+140円93銭)
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米中の関税協議に前向き観測。先物買いで主力に資金。
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半導体・機械がけん引。医薬品は政策思惑で軟調。
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TOPIXも続伸、物色広がるが「期待先行」で上値は限定。
5/13(火)|(※重複報は整合)続伸基調の延長線
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米株高と関税協議の前進期待が地合いを支える一方、過熱感意識で上値追いは鈍化。
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円安気味が追い風、主力高・ディフェンシブ一角は利確。
5/14(水)|5日ぶり反落・利益確定優勢
終値:3万8,128円13銭(−55円13銭)
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3万8千円台回復で心理的節目を意識、利確・戻り売り。
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円高気味に振れ輸出株に重し。半導体は朝強・引け弱の往来。
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TOPIX・JPXプライム150も反落。
5/15(木)|続落・円高と過熱感
終値:3万7,755円51銭(−372円62銭)
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為替が円高方向、輸出株に逆風。
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上昇一服で広く利確。小売りの一角は堅調。
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値下がり優勢、売買代金はやや細る。
5/16(金)|小幅続落(実質ヨコ)・押し目買いも
終値:3万7,753円72銭(−1円79銭)
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米ハイテク安と円高が重し。一時−250円も押し目買いで戻す。
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GDP速報マイナスで慎重ムード、ディフェンシブに資金回避。
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TOPIXは小反発で底堅さも確認。
初心者向け解説
1) 「期待で上げ、事実で売る」ってどういうこと?
株は将来の良いニュースを先回りして買われることが多いです。
今回も「米中の関税が緩むかも」という期待で株が上がりました。
ただし、詳しい内容が出る直前や直後には、
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期待で上がった分の利益確定が出やすい
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内容が想定ほど強くないと失望売りが出る
傾向があります。これ期待で買って事実で売るの典型です。
2) 円高・円安がなぜ株価に効く?
輸出企業(自動車・電機など)は円高になると収益が目減りしやすい。
例)1ドル=150円で得た1ドル利益が、145円に円高になると円換算の利益が減る。
結果として、円高局面では輸出株が売られやすく、日経平均(輸出大企業が多い)全体も重くなりがち。
一方、原材料輸入や内需中心の企業には恩恵が及ぶケースもあり、為替は「勝ち負け」が分かれる材料です。
3) 心理的節目って何?
3万8千円、4万円のようなキリのいい水準は投資家が意識しやすく、
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到達:達成感→利確が出やすい
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手前:戻り売りが増えやすい
など、テクニカルな節目として機能します。今週は3万8千円台でその動きが見えました。
4) 「過熱感」とは?
短期間に急上昇すると、
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移動平均線からの乖離が広がる
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出来高やニュースの勢いに価格が先行する
→ 短期筋の利確・売り仕掛けの口実になりやすい。
指標としてはRSI、25日線乖離率などがよく見られますが、初心者は「連騰・急伸の後は一度休みが入りやすい」と覚えておくとOK。
5) セクターローテーションの初歩
今週は、
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前半:景気敏感(半導体・機械)に資金集中
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後半:円高&反落でディフェンシブ(医薬品・一部内需)に逃避
のように、環境に合わせて資金が回る動き=ローテーションが発生。
銘柄選びは「今、どのテーマに資金が動いているか」を見極めると打率が上がります。
総括と来週の視点
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週前半は期待先行の上昇、後半は円高と利確で上げ一服。
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テクニカルには節目での利確が自然体。押し目では買い意欲も確認。
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来週は米中協議の続報、為替(円高/円安)、国内景気指標が焦点。
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戦略面では、
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イベント前は持ち高を軽く(想定外の結果対策)
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押し目は業績の裏づけがある主力・テーマ株に厳選エントリー
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変動期は分散と資金管理(損切りラインの事前設定)を徹底
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