東京株式市場、日経平均株価が続伸し3万7503円33銭で心理的節目を回復
9日の東京株式市場では日経平均株価が続伸し、終値は前日比574円70銭(1.56%)高の3万7503円33銭となった。この上げ幅は一時600円を超え、心理的節目である3万7000円台を終値で回復したのは、3月28日以来となる。この日の日経平均株価の上昇は、米関税政策への懸念が後退し、8日の米株式相場の上昇を受けて海外短期筋が日本株の戻りに期待して株価指数先物に買いを入れたことによるものだ。
また、9日の東京外国為替市場では円相場が一時1ドル=146円台まで円安・ドル高が進み、自動車株の買いも目立った。これに加えて、米英両政府が2国間の貿易協定を締結することに合意したことが発表され、トランプ米大統領が中国に課している関税を引き下げる可能性が伝わったことも、貿易摩擦の懸念が後退し、世界の景気敏感株である日本株の買いを誘った要因として挙げられる。
一方、東証株価指数(TOPIX)も11日続伸し、終値は34.77ポイント(1.29%)高の2733.49と、3月28日以来の高水準を記録した。11連騰は2017年10月以来の長さであり、海外投資家の買いが日本株を押し上げた局面と似た状況だ。
市場関係者の間では、米関税政策の影響や企業の業績については慎重に見極める必要があるが、2025年3月期の決算と同時に自社株買いを発表する企業姿勢が前向きであるとの見方が広がっている。さらに、4月の日米の財務相会談で為替目標が議題に上らなかったことから、急激な円高が進む可能性は低く、日本株の買いが続きやすいとの期待が高い。
JPXプライム150指数も反発し、13.82ポイント(1.16%)高の1209.74を記録した。東証プライムの売買代金は約5兆7309億円で、売買高は約26億4904万株と、約1カ月ぶりの高水準を記録した。値上がり銘柄数は1282で、値下がりは311、横ばいは42だった。
日経平均株価の続伸や企業姿勢の前向きさ、そして世界の景気や貿易摩擦の緩和が期待されるなか、東京株式市場は活況を呈している。親子上場の解消を進める企業の上昇や自動車株の買いなどが目立つ一方で、医薬品株や一部の企業の下落も見られた。今後も市場の動向に注目が集まる。