東京株式市場での日経平均株価が急落し、28日に3万7155円50銭で取引を終了した。この結果、日経平均株価は2024年9月19日以来、約5カ月ぶりの安値を記録し、下げ幅は24年9月30日以来、5カ月ぶりの大きさだった。この急落の背景には27日の米ハイテク株安が影響しており、国内でも半導体関連株が売られたことが挙げられる。特に、トランプ米大統領の関税政策に対する不透明感から、自動車や輸出関連株も売られる展開となった。日経平均の下げ幅は一時1400円を超えるなど、市場には混乱が広がっている。
27日の米株式市場でも、主要な株価指数がそろって下落し、投資家心理が悪化した。特に半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が急落し、28日の東京市場でも半導体関連株に売りが出た。トランプ氏は27日、カナダとメキシコへの追加関税を3月4日から課す方針を示し、中国にも新たに10%の追加関税を課すと発表した。これにより、自動車関連や中国関連株にも売りが出やすくなった。
日経平均が3万8000~4万円のレンジの下限を下回ったことで、市場では今後しばらく下落相場が続くとの見方が強まっている。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「3万8000円を割り込んだ水準での調整はしばらく続く見込みだ。長期トレンドの200日移動平均も下回っており、当面は24カ月移動平均(3万5800円程度)が下値支持線となるだろう」との見解を示している。
東証株価指数(TOPIX)も反落し、終値は2682.09となった。JPXプライム150指数も下落し、1167.60で取引を終了した。東証プライムの売買代金は概算で6兆2109億円で、売買高は27億921万株だった。米MSCIによる指数構成銘柄の入れ替えに伴う売買が膨らんだことが影響している。値下がり銘柄数は1283で、値上がりは312、横ばいは44だった。
ファストリやリクルート、TDKなどが下落した一方で、東京海上やセブン&アイ、味の素などは上昇した。市場では今後の動向に注目が集まっており、投資家たちは警戒感を強めている。