日経平均株価が27日、3営業日ぶりに反発し、前日比113円80銭(0.30%)高の3万8256円17銭で取引を終えた。この日は、海外短期筋などが日本株の下値の堅さを意識して株価指数先物への買いを入れ、一時200円を超える上げ幅を見せた。しかし、米景気減速懸念や円相場の上昇などが株価に影響を与え、上値が限定された状況となった。
一方、26日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が下落した一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は上昇した。半導体大手のエヌビディアが好決算を発表したものの、成長鈍化やマージン悪化への警戒から時間外取引で株価が下落した。東京市場では、AI向け需要の拡大期待が高まる中、半導体関連の銘柄がまちまちの反応を見せた。
28日には米国で1月の個人所得・個人消費支出(PCE)物価指数が発表される予定だ。市場では、景気減速を示唆する経済指標が続出する中、米連邦準備理事会(FRB)の今後の政策に注目が集まっている。マリン・ストラテジーズの香川睦シニアマーケットアナリストは、「スタグフレーション」が警戒される中、物価の落ち着きが示されれば米長期金利に下落圧力がかかり、株式市場には追い風となると指摘している。
東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反発し、終値は19.85ポイント(0.73%)高の2736.25となった。JPXプライム150指数も同様に3営業日ぶりに上昇し、7.36ポイント(0.62%)高の1196.51で取引を終えた。この日の東証プライムでは、売買代金が約4兆3399億円、売買高は約18億124万株となり、値上がり銘柄数1222、値下がり銘柄数380、横ばい銘柄数34となった。
個別銘柄では、ソフトバンクグループ、フジクラ、伊藤忠が上昇し、任天堂も「ポケットモンスター」の新作ソフト発表への期待から買われた。一方、セブン&アイやニトリHDが売られ、医薬品株も一部下落した。
今後も米国の経済指標やFRBの動向に注目が集まる中、日本株市場は引き続き波乱含みの展開となりそうだ。