東京株式市場での日経平均株価が3日連続で下落し、大引け時には前日比92円81銭(0.24%)安の3万9364円68銭という数字で取引を終えました。この日の株価は安値で推移し、米国のハイテク株高や外国為替市場での円安・ドル高の流れを受けて始まったものの、後半では戻り待ちや利益確定売りが主導権を握りました。特に、半導体関連の主力株であるアドテストが大幅に下落したことが、日経平均株価の下落要因となりました。
アドテストの急落は午後の市場心理に影響を与え、一部の外資系証券が目標株価を引き下げたことで海外投資家を中心に利益確定売りが拡大したと言われています。また、円相場が一時1ドル=154円台まで下落しましたが、輸出関連株への買いは限定的でした。市場では円安が進みすぎると、海外のヘッジファンドの投資収益が損失につながる可能性があるとの懸念が広まっています。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースの鈍化や日銀が金融政策を引き締める可能性があるとすれば、円安が進みすぎるリスクが高まるとの指摘もあります。
一方、朝方には海外短期筋の株価指数先物への買いが加速し、日経平均株価の上昇幅が300円を超える場面も見られました。孫正義会長兼社長がトランプ次期政権の4年間で米国で1000億ドル(約15兆円)の投資を実行する計画を発表したソフトバンクグループ(SBG)が買われ、日経平均株価を支えました。
東証株価指数(TOPIX)も3日連続で下落し、終値は10.13ポイント(0.37%)安の2728.20となりました。また、JPXプライム150指数も3日続落し、1.14ポイント(0.09%)安の1214.30で取引を終えました。
この日の東証プライムの売買代金は概算で4兆3026億円で、売買高は18億9297万株でした。値下がり銘柄数は1032、値上がりは546、横ばいは65でした。リクルート、デンソー、フジクラなどが下落しましたが、ファストリ、中外薬、東エレクなどは上昇しました。
この日の東京市場は、米国や外国為替市場の動向や企業の業績によって影響を受けつつも、投資家の警戒心や利益確定売りが市場の流れを左右しました。今後も円相場や金融政策の動向に注目が集まることが予想されます。