東京株式市場、日経平均株価が反落、米金融政策とウクライナ情勢が影響
20日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比62円09銭(0.16%)安の3万8352円34銭で取引を終え、反落した。市場では、米金融政策の先行きやウクライナ・ロシア情勢など、不透明感が高まっていることが影響しているとされている。リスク回避の売りが株価指数先物などに優勢だった一方、セブン&アイなどの主力株が個別材料で上昇するなど、一部の銘柄は買われる動きも見られた。
市場では、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が根強く、米長期金利が高止まりしていることが重荷となっている。さらに、ウクライナ軍が19日に米国から供与された長距離地対地ミサイルでロシアの軍事施設を攻撃し、ロシアも核兵器の使用条件を示唆するなど、両国間の地政学リスクの高まりも市場に影響を与えている。
一方で、セブン&アイが創業家による買収に関する報道で急伸し、個別の材料に支えられた主力株には買いが集まり、相場の下げを支えた。さらに、ソニーGが動画配信・出版大手のカドカワの買収に向けた協議に入ったことや、損保株のSOMPOが通期純利益予想の上方修正と株主還元を好感したことなども、市場にプラスの材料となっている。
21日の注目は、米エヌビディアの2024年8~10月期の決算発表が控えられていること。エヌビディアがけん引する生成人工知能(AI)向け半導体市場拡大の恩恵を受けるとされるアドテストは取引終了にかけて上昇幅を拡大している。一方、東エレクは後場に持ち高整理の売りに押されて下げ幅を広げた。
東証株価指数(TOPIX)も反落し、終値は前日比11.74ポイント(0.43%)安の2698.29で終了した。東証プライムの売買代金は概算で3兆7494億円、売買高は16億5345万株と低調だった。値下がり銘柄数は997、値上がりは600、横ばいは48だった。
東京海上、信越化、ファストリ、ソフトバンクグループ(SBG)、トヨタなどが下落し、一方でリクルート、テルモ、大塚HDなどが上昇した。市場では今後、企業の資本効率改善に向けた動きが注目されるなか、株式市場の動向には一層の注目が集まることが予想される。