東京株式市場では8日、日経平均株価が前日比118円96銭(0.30%)高の3万9500円37銭で取引を終え、反発の動きを見せました。この日の市場では、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを行い、米国の景気が堅調であるとの見方が広がりました。この好材料を受けて、前日の米株式市場ではハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が連日で最高値を更新し、投資家の心理を支えました。
一方で、外国為替市場では円安が一服し、日産自動車や資生堂などが通期業績予想を下方修正したことが発表されたため、これらの企業への売りが増えました。朝方には日経平均株価が400円以上上昇しましたが、後場に入ると上げ幅が縮小し、一部の銘柄では小幅ながら下げに転じる場面も見られました。
FRBが政策金利を0.25%引き下げたことで、米経済のソフトランディング期待が高まり、ソフトバンクグループやファストリなどの銘柄が買われました。また、米労働市場の改善期待からリクルートは株式分割考慮ベースの上場来高値を更新するなど、一部の銘柄が好調でした。
日経平均株価は節目の4万円に接近する場面もありましたが、週末を前にして投資家が様子見ムードに入り、積極的な買いが控えられる動きも見られました。決算が振るわなかった銘柄への売りが目立ち、日産自動車や太陽誘電、資生堂などの株価が大きく下落しました。
また、外国為替市場や米国の金利動向、トランプ次期米大統領の政策や発言に対する不透明感も市場を左右し、一部の株価が変動しました。最終的には東証株価指数(TOPIX)が後場にやや下げ幅を広げる展開となりました。
8日の取引では、東証プライムの売買代金は概算で5兆2651億円、売買高は24億412万株となりました。値上がり銘柄数は632、値下がりは971という結果となりました。
東証では、東エレク、テルモ、中外製薬、コナミホールディングスなどの銘柄が上昇し、一方でアドテスト、ダイキン工業、豊田通商、村田製作所などが下落しました。
日経平均株価の動向や企業の業績情報を踏まえると、今後の市場の展望に注目が集まります。さまざまな要因が株価に影響を与える中、投資家は慎重な姿勢を保ちながら市場を見極めていくことが重要となるでしょう。