今回は、Posted: 15 Nov 2024に掲載されたインド株式市場におけるCOVID-19期間中のセクター別ハード行動解析の論文を分かりやすく解説・要約しました。
元の論文は下記の通りです。
Sector-Wise Herd Behaviour In The Indian Stock Market During Covid-19
出典元:SSRN
それでは早速見ていきましょう。
COVID-19パンデミック下におけるインド株式市場におけるセクターレベルの群れ行動の分析
COVID-19パンデミックが世界中の市場に大きな影響を与えた中、インド株式市場におけるセクターレベルの群れ行動が注目されています。本論文では、複数の研究から得られた知見を元に、COVID-19前後の状況を踏まえたインド株式市場における群れ行動について分析を行っています。
研究目的と手法
研究では、ChristieとHuang(1995)やChang、Cheng、Khorana(2000)のモデルを用いて、市場の平均収益率に対するCSADを分析し、セクターレベルでの群れ行動の存在を検証しています。調査対象は、NIFTY50を含む106社の企業をカバーする5つの主要セクターを対象としています。
研究結果
研究結果からは、COVID-19前には顕著なアンチヘルド行動が見られた一方、パンデミック後にはFMCG、オート、ファーマセクターで群れ行動が観測されたことが示されています。これは、投資家が逆境時に他者を模倣しやすい傾向があることを示唆しています。市場の不安定な状況下での投資戦略の構築において群れ行動を考慮することが重要であると論文は述べています。
研究の意義と展望
これらの研究結果は、市場の効率性や投資家の行動パターンについての理解を深める上で重要な示唆を提供しています。COVID-19の影響下におけるセクターレベルでの群れ行動の分析は、投資家、市場規制当局、政策立案者にとって貴重な洞察をもたらすとともに、今後の研究の展望として、他の回帰モデルの採用や取引量を群れ行動の指標とするなどが挙げられています。
COVID-19パンデミック下でのインド株式市場におけるセクターレベルの群れ行動の研究は、市場の不安定な状況下での金融決定に関する新たな視点を提供し、投資家がより合理的かつ効果的な判断を行うための手助けとなるでしょう。